芸能・文化

「小禄紺地」よみがえる 研究会、再興へ意気込む

戦前の貴重な小禄クンジーを身に着けて行われたファッションショー=23日、那覇市の宇栄原自治会館

 戦後途絶えていた那覇市小禄地域の織物、小禄(うるく)クンジー(紺地)の復元・再興への機運を盛り上げようと23日、那覇市宇栄原自治会の敬老会の席で「小禄紺地ファッションショー」が初めて開かれた。

小禄クンジー研究会(當間一郎会長)が中心となり企画。ファッションショーで披露された着物は全て戦前に織られた物で、参加者から大きな歓声が上がった。関係者は地元の産業を見直し、沖縄市の知花花織や南風原の琉球絣(かすり)のように復元への動きが盛り上がっていくことを期待している。
 小禄クンジー研究会によると、小禄クンジーは文化的価値も高く、着物を実際に着けることは珍しいという。當間会長によると、かつて八重山四カ字の豊年祭でも使用され、本土にも渡るなど、戦前までは盛んに作られていたが、戦後は生産が途絶えていた。當間会長は「30回以上も藍染めをして織り上げた貴重な物で、大変大切な産業。もっと評価を受けていい」と語る。
 同研究会は2009年、那覇市小禄に作業所を設置し、復元・再興に向けた取り組みを進めている。現在、機が4機で、9人ほどが復元作業に参加しているほか、地域の高齢者などに織や染めの技法になどについて聞き取り調査も進めている。
 ファッションショーでは6人の男女が、戦前に織られた小禄クンジーを身に着けて登場した。モデルを務めた大城美智子さん(41)は「戦争を超えてきた着物は、物の良さはもちろん、身が引き締まる思い」と緊張した様子。同研究会の赤嶺和雄事務局長(68)は「実際に着けるとひときわ輝いて、びっくりした。ぜひ次の世代に伝えたい」と興奮して語った。曽祖父の品を着けた赤嶺政章さん(49)は「復元してかりゆしウエアにできたら着やすいと思う」と語った。
 同会では各家庭に眠っている小禄クンジーの情報提供を呼び掛けている。上原八重子副会長(56)は「調査で70着ほどは確認しているが、まだまだあるはず」と語った。問い合わせは上原副会長(電話)090(8294)4494まで。